2017年 USA 皆既日食


2017年8月21日に見られた皆既日食の写真を紹介します。

初めての撮影対象で練習もできない被写体で、いろいろとミスはしましたが、なんとか最低限の結果は得られたかなという感じです。
基本的には、眼視重視で、撮影は機械任せです。

以下の写真は、クリックすると別ウィンドウで大きめの画像が表示されます。

今回、皆既日食の見られたエリア
皆既日食としては、約2分半程度の短いものでしたが、USAのどこのエリアでも南北の移動で見ることができ、夏休みという事もあり、色々な場所でかなりの盛り上がりを見せてました。



図中、GDは皆既時間が一番長い場所、GEは月との距離が最短となる場所


観望場所

イエローストーン国立公園から300kmほど東に移動したボイセン州立公園内の湖のほとり
ウィンド・リバー・リザベーションという先住アメリカン自治区の中
快晴の場所を求め車で移動したものの、結局スタート時は薄曇りでハラハラしながらのスタートに。




日食の経過動画

部分日食中は、2分間隔で撮影し動画にしたもの
皆既前後は連射したものからの抜粋なので、全体の時系列はそろってません。


※この上の部分に動画が表示されない場合は、お知らせください。

皆既の前後25分の変化

中央の皆既中は、フィルターなしでの撮影ですが、前後は露出倍数10000倍のNDフィルターを付けての撮影


ダイヤモンドリング

これもフィルターなしでの撮影です。
この直前にフィルターを外すのですが、しばらくは明るすぎて露出オーバー
太陽の明るさは凄まじいです。


コロナ

コロナの明るさは、太陽付近と周辺で大きく異なり、この写真の様に周辺まで写そうとすると、中心付近は完全に露出オーバーになります。
段階露出の合成で全体を見せることができるのですが、通常のHDRの様にはいかないため、今回は見送ります。


プロミネンス

肉眼でも、太陽の淵に深紅の炎が見え、双眼鏡で見ると何とも言えない気持ちに。
この中央のプロミネンスの高さ、地球の直径の約3.5倍程度。(太陽の直径は地球の109倍)


皆既中の空全体

右の方は湖に反射していて、左は低い丘に隠れているので非対称に見えますが、全周が夕焼けのような状態でした。
ただ皆既の進行に伴い、夕焼けのオレンジの濃い部分は西から東へ移動していき、この点も通常の夕焼けとは違いました。
皆既中は真っ暗というわけではなく、金星や1等星位の明るい星が見える程度の薄明かりです。


皆既中の景色

皆既中の太陽をアップで見るのも素晴らしかったのですが、空全体を見渡した時に「黒い太陽」が浮かんでいる光景が感動的でした。




日食の進行に伴う変化

絞り優先で20秒間隔で撮影した画像の明るさの変化。AEが働いているので、実際の照度の変化ではありません。
前半は薄曇りの為、白っぽくなっています。
ホワイトバランスは太陽光にしてあるので、皆既中の色味が変わっているのがわかると思います。



以下は、横軸が時間、縦軸がシャッタースピード
明るさの変化具合の目安として載せておきます。前半は雲の影響で凸凹しています。1/1600から2.5秒まで推移





日本で見られる皆既日食

かなり先の事になりますが、日本で皆既日食が見られるのは、2035年9月2日(日)です。
2分強とあまり長くはありませんが、場所は下図のように関東圏の人にとっては好条件。
日曜日ということと、アメリカのように広くないので、皆既帯は大混乱になりそうな予感です。
ちょうど北関東自動車道に沿って皆既帯になるので、当日の高速がどうなる事やら心配です。



以上、質問他、何かあればお知らせください。
松下